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Day by day 心にきざむ風景 人生いろんなことがあるけれど、今を大切に自分なりに生き抜こう

蝸牛の晩秋

晩秋の3連休
せっかくの秋晴れに
部屋にひとり臥せっているのは辛い
身体中が痺れて、チクチク痛い。
北の湖親方の訃報・・・最近有名人の訃報が多い。
みんな、何で亡くなるのだろう?
ガンの名前が書いてあっても
今の自分の苦しさを思うと
きつい薬に身体が崩壊したのでは?と
疑心暗鬼になる。
あんなに強かった国民の英雄が・・・。


今の自分の身体中の痛みも
がんによるものではない。
化学療法、それも主に抗がん剤によるものなのだ。
自分は何に耐えているんだろう?
医療に従順な自分のこの治療の先には
どんな運命が待っているのだろう?
たった1個のリンパ節の転移で
こんなに身体中がボロボロになっているのは
なぜなんだろう?
治療してもらっているのに
被害妄想的な気持ちばかりが強くなる。

そう思いながら違う道が選べない。

何だか今は平和な日本なのに軍国主義下の
戦時中にいるような気がしてくるひとりの休日。
多くの権威ある人たちによって起こされた戦争
誰も権威を信じ、国を信じ
プロパガンダされて疑わなかった。
ひとりひとりの人間性より
全体の大義名分が重視された時代
医療自体は自分にも寄り添って優しいのに
なぜこんなイマジネーションが浮かんでくるのかな?

最近、やたらと民放TVにも医療番組が増えた。
分かりやすくなって良いと感じる反面
あまり増え過ぎても
元来、命の尊厳に真摯であると思っていた医療が
コマーシャリズムに汚染されていくようで・・・
臥せっていると相反する葛藤の迷路に
引きづりこまれそう・・・
身体と心の辛さで
ベッドの一部になってしまいそう。

ええい!と金縛りを振り払うように
起き上がり、服を着替えて
買い物に出た。
いつもは自転車でさぁーと済ますのだけど
頑張って歩いてみよう。
つま先をケアして
ゆっくり歩いて行った。

11月末・・・晩秋なのに
寒くなくて気持ちがいい。
身体を動かし、歩いていると
体内の循環が良くなるのか
痺れもマシになってきた。
深呼吸しながら立ち止まると
蝸牛の晩秋_e0028056_2325451.jpg

道の側に真っ赤なピラカンサス。
燃えるような赤い実が
蝸牛のようなのろい歩みの私に
燃え盛って湧き上がってくるような
力強さを感じさせてくれた。


蝸牛の晩秋_e0028056_2331378.jpg

真っ赤な実
たくさんの赤い実
「Firethorn(ファイアーソーン)」
「カキョク(火棘)」
病も薬の副作用も何もかも
焼き尽くして
振り払って、
身体の中に蓄積した毒も
全部絞り出して
仕掛けられた時限爆弾も
無効化して

人間本来の強さで
生かされている自分でなく
生きる自分を取り戻したい。
by budda88 | 2015-11-22 23:03 | 心の琴線に触れること | Trackback | Comments(0)